奈良井宿に並ぶお店のなかで、一見おしゃれなスーパーにも見える、山の市場かわかみさん。しかし、ここはスーパーではなく、お土産屋さんなんです。そのスーパーの雰囲気の理由はお店のルーツにありました。

海外に大人気のダイギンジョウ

うちはね、今の息子で３代目で、店始めてから９０年くらいにはなるかな。元々のうちのおじいさんが、魚屋さんやってて、そのあと私の主人が一般食料品を扱うスーパーに変えたんだけど、地元の人たちも減ってきちゃってこれはダメだってことで、息子がお土産屋にしたほうがいいということで、今はお土産専門のお店でやってます。お土産っていうのは、お酒中心で、地元の日本酒だとかワインだとかが中心。海外の人は、みんなだいたい大吟醸を選んで買ってってくれるし、県外から来てくれた人は、だいたいみんな純米酒を買ってってくれますね。海外の人はみんな「ダイギンジョウ、ダイギンジョウ」って来てくれるね。ここ数年は、だいぶ観光客も増えてきているけど、一昨年の御嶽山の噴火があった年は、お客さんはだいぶ少なかったね。一昨年、去年に比べたら今年はいいね。外国の人が多くなってきているね。言葉も、片言の英語と身振り手振りでなんとか対応できているかな。

昔みたいに食料品のスーパーをやっていたころと違って、外からのお客さん相手になったから、そういうところは昔に比べたら少し寂しくもあるかな。奈良井は、この通りに風情のある建物、お店がずっと並んでいるから、旅行に来た人には喜んでもらえるね。
だけど、この通りに空き家が増えてきちゃっていてね４０か５０はあるかしないかや。あと５年もすればもっと増えちゃう。もう少し空き家がなんかどこかに貸すとか有効利用されればいいなと思うけどね、特にこの季節は、隣近所の人たちも雪かきや雪の片づけが困っててね、なにか対策は考えなきゃいけないね。