今はもう動かない、その雄姿
塩尻に住む方は見たことがあると思います。
塩尻市役所には、蒸気機関車が展示されています。
「デコイチ(D51155)」という愛称で親しまれ、主に上諏訪~長野間を、昭和14~48年の34年間、約200万キロの距離を走ったそうです。
デコイチとは、国鉄D51形蒸気機関車のことを言います。
国鉄の前身である鉄道省が設計、製造した機関車です。主に貨物輸送に使用され、太平洋戦争中に大量生産されたこともあって、その所属数は総数1,115両に達しており、ディーゼル機関車や電気機関車などを含めた日本の機関車1形式の量数では最大を記録したそうです。
なぜ塩尻に展示されているのでしょう?
気になるのは、なぜ塩尻に展示されているかということ。
それはこちらの看板に書かれていました。
看板より書き出します。
このD51155蒸気機関車は、”デコイチ”という愛称で親しまれ、昭和14年2月に日本車両株式会社で製造された、日本の代表的な蒸気機関車です。
当初、東海道線米原機関区へ配属され、その後、大垣、上諏訪、長野、稲沢第一、中津川の各機関区を経て昭和48年2月まで実に34年間の長きにわたって、2,158,706Kmを走行し、その使命を終了しました。
特に昭和25年5月より昭和45年1月までの間、上諏訪、長野両機関区に配属され、中央西線、篠ノ井線、信越線など、県下の主要線路で20年間を走り続け、客貨輸送を始め、地域の産業、経済、文化などの発展のために多大な貢献をしましたが、国鉄の近代化に伴って、昭和42年2月に廃車となりましたので、このなじみ深いD51155の貨与を受け、庁舎の一画に設置し、学校教育、社会教育などに役立てるべく展示したものです。
昭和48年9月 塩尻市
本当に働き者だったようです。
何気なくそっと静かに置かれていますが、地域や交通に多大な貢献をしていたのですね。